中田英寿が日本を旅する[埼玉]
「三泊四日で埼玉の隠れた魅力を知る」

茶畑というと山の斜面に広がっている印象があるが、狭山茶は平地で育てられる。広大な敷地に茶畑が広がる景色は
壮観だ。

“地下神殿”の異名も伊達ではない。突然の豪雨に備えるための施設、首都圏外郭放水路。水のない平常時には映画の撮影なども行われるという。

7月初旬の旅は、埼玉へ。「埼玉を旅する」というと、関東近県、なにより他ならぬ埼玉県民自身が意外に思うのではないだろうか。こういう土地は結構多い。「うちの地元には何もないから」。旅先でそういった声を聞くことも珍しいことではない。よく知られた名所や名物がない。でもだからといって魅力がないわけではない。そういう土地であればあるほど、中田英寿の旅はおもしろくなる。

いきなり度肝を抜かれたのが春日部市にある首都圏外郭放水路だ。ここは国道16号の地下約50メートルに建設された延長6.3kmの放水路。突然の豪雨などで溢れそうになった中小河川の水、最大約67万㎥を地下に取り組み、江戸川に流すこの施設のおかげで、かつて年数回あったという洪水を防ぐことができるのだという。もちろんこの施設の目的やそこに使われている最先端の技術はすばらしい。だが、中田がここを訪れたのは、“地下神殿”とも呼ばれる地下の貯水プールの見学が大きな目的だ。

「実はここに来るのは2回目。前に来たときは外国人のデザイナーと一緒だったのですが、あまりに荘厳な雰囲気にすごく驚き、喜んでいました」(中田)

地上にあるのはオフィスビルのような建物のみ。だが地下に通じる扉を開けると、そこには巨大な空間が広がっている。階段で下まで降り、“神殿”を歩く。深く、そして広い。誰もいない空間に大きな柱が並ぶ。

「特撮映画の戦闘シーンの撮影などによく使われています。最近ではヒットした『翔んで埼玉』のなかにも登場しています。イベントなどで使いたいという声もあるのですが、問題は豪雨がいつあるかわからないこと。突然の豪雨に備えるための施設ですので、その日に絶対使えるかどうかは約束できません」(首都圏外郭放水路管理支所支所長・高橋正樹さん)

近隣の河川から溢れそうになった水が流れ込み、それを江戸川に放出する。かつて年数回も洪水に見舞われた地域から洪水が劇的に減少した。

梅雨の真っ只中ということもあり、この日の天気予報は雨。実はこの見学も直前までの雨で実現できるか危ぶまれていた。しかし“晴れ男”中田が到着した瞬間、見事に雨が上がっていた。神殿を歩き、さらに深い立坑に行き、下を覗き込む中田。最近、見学者も増えたというこの施設にならなるアイデアを提案した。

「照明デザイナーに依頼して、もっとドラマティックなライティングにしたらもっとおもしろいかもしれませんね。これだけの空間をどう見せるかというのは、デザイナーにとってはすごくやりがいのあるテーマ。みんな喜んでやると思いますよ」

旅先ならではのフレッシュな味を楽しんだのは、日高市にある加藤牧場だ。現在は首都圏のベッドタウンとして知られる日高市だが、この地に加藤牧場ができた50年前はまわりには何もない場所だったという。

クルマで走っていると街中に突然牧場が現れる。だが実際は住宅街の中に牧場があるのではなく、牧場のまわりに住宅ができていった

「最初は牛10頭からのスタートでした。民家もないから夜になると真っ暗。住宅地の中に牧場があると言われますが、実際は逆。牧場のまわりにどんどん住宅やショッピングモールができていったんです」(加藤牧場代表取締役・加藤忠司さん)

牛乳を飲ませてもらうと、驚くほどに甘く、臭みがまったくない。この加藤牧場の牛乳は、しぼってから最短1時間(最長でも12時間以内)で殺菌され、瓶詰めされるという。50年の間、何度も試行錯誤を繰り返し、それでも求めたのは安心、安全、そして美味。厳選した飼料だけで育てられた乳牛が大手メーカーとは一味違う、フレッシュな加藤牧場の味を作り出す。このミルクを使って造られるこだわりのソフトクリームやジェラート、プリン、チーズなども大人気。休日には多くの家族連れなどで賑わうというが、その人気も納得の味わいに中田も嬉しそうな笑顔を見せていた。

全国でソフトクリームを食べてきた中田英寿も納得の加藤牧場のソフトクリーム。フレッシュなミルクの爽やかな甘さにリピーターが続出しているそう。

3泊4日の埼玉の旅は、実はずっと雨の予報だった。しかし中田が訪ねると、黒い雲がどこかへ行ってしまう。唯一、雨に見舞われたのは最終日に訪れた秩父市の三峯神社だった。秩父の森の奥深く、山道を登ったところにあるこちらの神社。普段は多くの観光客で賑わうこの神社も雨の朝はさすがに参拝客もまばらで、参道も霧に煙っているように見える。広々とした敷地には、たくさんの木が生い茂り、聞こえてくるのは雨粒が傘を打つ音だけ。その静かさが心を平穏にしてくれる。

普段は多くの観光客で賑わう場所だが、雨の朝となると人影もまばら。むしろそのおかげで三峯神社の緑に囲まれた静謐な空間をじっくり味わうことができた。

境内を歩き、拝殿で正式参拝を済ませる。

「三峯神社の歴史は、ヤマトタケルノミコトの時代までさかのぼります。江戸時代には江戸からも多くの人が団体で訪れていたそうです」(三峯神社権禰宜・山中俊宣さん)
「江戸からどのくらいかけて歩いてきていたんですか?」(中田)
「往復で7日間かけて歩いたとか。この神社の“お犬様”とよばれる狼の御札が大変人気で、火事除け、泥棒除けの神様として家々の玄関先などに貼っていたようです」(山中権禰宜)

ヤマトタケルノミコトの時代から秩父の山奥でこの地を守ってきた三峯神社。江戸時代には、江戸に住む人々が約7日間かけて三峯詣でをしていたそう。

雨はいつの間にか小雨に変わり、山を降りるころにはすっかり上がっていた。3泊4日の旅では、ここで紹介した以外にも狭山茶の生産者、日本酒やビール、ウイスキー、さらには醤油の生産者などを訪ねた。秩父の山並みは美しく、川越の古い街並みの散策も楽しかった。「埼玉なんて」と思っている人がいたら、ぜひあちこちを訪ねてみればいい。そのときはぜひ晴れ男とともに旅することをおすすめしたい。

川越の小江戸の街並みに、モダンでエレガントな雰囲気のBMW 8シリーズ カブリオレが不思議とマッチする。

スポーティかつラグジュアリー。BMW 8シリーズ カブリオレは落ち着いた雰囲気がありながら、「いつでも走り出す」とうアクティブな気配を漂わせる。

BMW 8シリーズ カブリオレの緻密にデザインされたボディはエレガントかつ精悍。街を走っていると多くの人が振り返るほどの存在感を持つ。

広々と余裕があり、かつホールド感も高いシート。丁寧に仕上げられたひとつひとつのパーツは、手に触れた時、ドライバーに心のゆとりをもたらしてくれる。

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